iVene’s diary

世界のクワガタ観察日記

リリプタヌスマメクワガタの色々

オーストラリア大陸の広域にFigulus lilliputanus Westwood, 1855:リリプタヌスマメクワガタなる小型種が分布するとされる。黒い種の多いマメクワガタの仲間でも赤色になりやすい分類群。 小さい故に"マメクワガタ"とは言われるがチビクワガタ属に分類され…

誤データ?正体不明のProsopocoilusを追跡する

あまり見覚えの無いクワガタが2♂出品されてあったのを見つける機会があった。 出所は、過去に記事にしたデータの不安定な古個体群を底値で売られていた同じ通販サイトにて。 https://ivene.hateblo.jp/entry/2023/03/21/010925 https://ivene.hateblo.jp/ent…

ナタールノコギリクワガタの色々

東アフリカには南北に広く普通種Prosopocoilus natalensis (Parry, 1864):ナタールノコギリクワガタの分布が見られる。 P. natalensisというと有名産地はタンザニアを中心にケニアやマラウイにも分布するとされ、特にタンザニアにはウサンバラ、ウルグル、…

アンティロプスノコギリクワガタの色々

西アフリカのシエラレオネを基産地として記載されたProsopocoilus a. antilopus (Swederus,1787):アンティロプスノコギリクワガタ原名亜種は、他にもこれまでにコートジボワール、ベニンやカメルーン〜ガボン、中央アフリカ、コンゴ共和国、コンゴ民主共和…

ゲレンスノコギリクワガタの色々

西アフリカのガーナ〜コートジボワール〜シエラレオネ南方エリア低地森林帯にProsopocoilus gellensae (Bomans, 1967):ゲレンスノコギリクワガタなる美麗種が分布する。滅多に実物資料を拝めずBartolozzi & Werner. 2004等文献上でも"very rare"とされるが…

キルクネルノコギリクワガタの色々

西アフリカのコートジボワール南方周辺域低地にてProsopocoilus kirchneri Ipsen, 1999:キルクネルノコギリクワガタの分布が見られる。調査例の少ない地域に生息する分類群であるが文献上では希少とされる。 https://www.zobodat.at/pdf/Facetta_18_0002-00…

モデストゥスノコギリクワガタの色々

西アフリカの南側沿岸諸国の低標高森林地帯にProsopocoilus modestus modestus (Parry, 1864):モデストゥスノコギリクワガタが分布する。目にする事も稀であるため一般的な認知度は低い。Kriesche, 1919等でも悩まれているように基準産地が"Africa occ. Tro…

トリスティスチリハネナシクワガタの色々

チリ中央に分布を広げるチリハネナシクワガタ属、そのなかでも最北RM RegionとVI RegionにApterodorcus tristis (Deyrolle in Parry, 1870):トリスティスチリハネナシクワガタが生息し、普遍的有名種であるA. bacchusとは混生しないとされる。 https://unsm…

クロサワオニクワガタの色々

クロサワオニクワガタ:Prismognathus kurosawai Fujita et Ichikawa, 1986はタイ北部ドイ・インタノン国立公園の標高2300m辺りから見つかっており、現在のタイ国内の産地では保護規制が敷かれ観察が難しい。 原記載にて"The specific name of this new luca…

ホリドゥスソリアシサビクワガタの色々

フィリピンには認知度の低い種が結構ある。ルソン島のホリドゥスソリアシサビクワガタ:Gnaphaloryx horridus (Benesh,1950)は其の内の1種で、昔は低画質ながらフィリピンの公的機関らしき場所が運営していたネットページで見る事が出来たのだが、今は探して…

フォルモススミヤマクワガタと、タカクワミヤマクワガタの色々

フォルモススミヤマクワガタ:Lucanus formosus Didier, 1925はラオス北部に分布し、キクロマトイデスミヤマクワガタに酷似して判別が難しい。 https://science.mnhn.fr/institution/mnhn/collection/ec/item/ec3735 (基準産地はラオス北部のシェンクアン)…

キクロマトイデスミヤマクワガタの色々

キクロマトイデスミヤマクワガタ:Lucanus cyclommatoides Didier, 1928は北ベトナムのファンシーパン山を中心に雲南省南東部を跨ぐ山脈に生息する。 近似別種の既知分類群にフォルモススミヤマクワガタやタカクワミヤマクワガタがあり「この辺りの分類を上…

スカプロドンタ型ヨーロッパミヤマクワガタの色々

"Lucanus cervus forma scapulodonta"は1963年にEric Weinreich氏により記載された型名である。ドイツのヴェツラー近郊/ライン川流域で1969年まで記録のある型のミヤマクワガタで、現在は絶滅が疑われ分布が確認されていない。 (1959年にヴェツラー近郊の…

ブレットシュネイダーオニクワガタの色々

(インド・アルナーチャル・プラデーシュ州西部〜チベット南部クオナに分布するPrismognathus bretschneideri Schenk, 2008:ブレットシュネイダーオニクワガタは、Prismognathus nosei Nagai, 2000:ノセオニクワガタに似ており、中華鍬甲Ⅲにてノセオニクワ…

ノセオニクワガタの色々

Prismognathus nosei Nagai, 2000:ノセオニクワガタはミャンマー北部カチン州Karadapから初めて発見されたクワガタである。原記載では1997年、1998年、1999年の3年に分けて得られた15♂3♀がタイプに指定された。パラタイプ個体群の大半は売却されていたのを…

デュブロンヒメヒラタクワガタの色々

多数の孤島や諸島で構成される国、ミクロネシアは太平洋にある。そこにいるクワガタも特化していて面白い。しかし採集は困難である。 (ミクロネシア・チューク諸島ウェノ島のDorcus (Metallactulus) dublonensis Arrow, 1939:デュブロンヒメヒラタクワガタ…

ウエストウッディオオシカクワガタの色々

クワガタ界で金字塔の美形を得た種と言えば此れである。亜種はあるが1属1種で特化しているのは面白い。 我々の童心を鷲掴みにした其の姿見は思ったよりもよく共通している。 (インド・ダージリン産のRhaetus westwoodii westwoodii (Parry, 1862):ウエスト…

メディアドンタヨーロッパミヤマクワガタ(?)の色々

イタリア中部から変なミヤマクワガタが見つかっているというのは昔からある話。 (イタリア中部産の変わった個体。手元には1頭だけ) (イタリア中部産のLucanus tetraodon tetraodonThunberg, 1806:テトラオドンミヤマクワガタ原亜種。サイズや触角形態は…

マルギナートゥスヒサゴネブトクワガタの色々

(インドネシア・ボルネオ島の一部地域に分布するAegotypus marginatus Arrow,1935:マルギナートゥスヒサゴネブトクワガタの♀個体。希少種ゆえに発見されている個体数は少ない。ちなみに検討が難しいがAegotypusはAegus属の亜属に分類すべきかもしれないhtt…

ミヤシタオニクワガタの色々

(ミャンマー北部のPrismognathus miyashitai fukinukii Nagai, 2000:ミヤシタオニクワガタ・ミャンマー亜種。ミャンマー産は完全長歯型が極稀に現れる※見聞きした分だけでも10頭前後あるかないか。此の分類群は雲南西端にも分布があるが雲南側で完全長歯型…

此処は別館②

ここ別館は深くは言及しない日記のようなもの。 本館はこちら。https://ivene.hatenablog.com (ブログアイコンは我が5個体目の御尊顔※腹面)