マルギナートゥスヒサゴネブトクワガタの色々
(インドネシア・ボルネオ島の一部地域に分布するAegotypus marginatus Arrow,1935:マルギナートゥスヒサゴネブトクワガタの♀個体。希少種ゆえに発見されている個体数は少ない。ちなみに検討が難しいがAegotypusはAegus属の亜属に分類すべきかもしれないhttp://www.bio-nica.info/lucanidae/aegotypus.htm)
♂はAegotypus属らしく異なるようだが♀はGenus Torynognathus Arrow, 1935:ヒラアゴクワガタ属に近しい形態をしている。
https://fanblogs.jp/anotherstagbeetlesofworld/archive/202/0
http://fanblogs.jp/anotherstagbeetlesofworld/archive/359/0。
マレー半島、スマトラ島、ボルネオ島には原始的らしいクワガタが存在していてインド亜大陸・スンダランド・サフル大陸の繋がりの名残りを思わせる。
ネブトクワガタ類というとどこから生じたのか考察が難しい。しかしTorynognathus属はネブトクワガタ類の原始的な仲間に近縁だったろうように見える。
さて、私の手元にある5個体目のクワガタ入り琥珀の中身、コハクルリクワガタの1個体は約14mmとTorynognathus属よりはかなり大きいが実はとても似ている。
https://ivene.hatenablog.com/entry/2022/02/05/130057
またネブトクワガタ類はアジア一帯〜オセアニアでのみ繁栄している事から陸地が孤立していた頃のインド亜大陸で生じた系統と考えられる。
様々な要素から考えて、ネブトクワガタ類の系統はルリクワガタ類に近い祖先系統から派生したのではないかと、少し考える。
【Reference】
Arrow, G. J., 1935. A contribution to the classification of the coleopterous family Lucanidae. Trans. r. ent. Soc. London, 83: 105 - 125 + 1 pl.