iVene’s diary

世界のクワガタ観察日記

スカプロドンタ型ヨーロッパミヤマクワガタの色々

 "Lucanus cervus forma scapulodonta"は1963年にEric Weinreich氏により記載された型名である。ドイツのヴェツラー近郊/ライン川流域で1969年まで記録のある型のミヤマクワガタで、現在は絶滅が疑われ分布が確認されていない。

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(1959年にヴェツラー近郊の広場のeicheの木から得られたとデータラベルに記述される個体。顎先がシャベル状、或いはヘラ状と呼ばれるような形になる。画像の個体では通常のケルブスに比べて体長に対する脚の長さは短めの比率。交尾器の形態は普通のヨーロッパミヤマと変わらない。ナイフエッジな顎先内側縁は何か生存に役立っていたのかもしれないが、調査の容易なエリアであるにも関わらず今は現生が確認されないから生態と形の関係性について何の考察も叶わない。ちなみに私が画像の個体を入手した頃は"未だ調べている人も少ないし絶滅していないかもしれない"と言われ今よりずっと安価だった)

https://unmondeencouleurs.piwigo.com/index?/category/4269-lucanus_cervus_f_scapulodonta_paratype

https://unmondeencouleurs.piwigo.com/index?/category/3302-cervus_f_scapulodonta_weinreich_1963#&ui-state=dialog

(顎先の変異は様々。ヘラ状の変異は揺らぎに程度がある。しかしシンメトリーにはなる)

 このミヤマクワガタについては原記載者であるヴァインライヒ氏が精力的に資料を採集され、後年のコレクターの手元にある個体は殆どが氏の採集個体と記述されるラベルが付く。

 最初に発見例が記述されたのはHepp, 1936による"1931年のタウヌス山地で得られた個体"とされる。タウヌス山地の北エリアにヴェツラーがある。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%82%A6%E3%83%8C%E3%82%B9%E5%B1%B1%E5%9C%B0

 1936年にはSchoop氏がKirn a. d. Nahe 付近で同じような体型の♂を観察したと1937年の文献に記述される(産地が離れるため擦れ個体と考えられる)。

 戦前の記録でSchoop氏によるとSoonwaldesの鳥の巣から197頭分のクワガタの頭が大量に発見されたらしいとあり、2頭scapulodonteな個体が混じっていたらしい(産地が離れるのと割合ごく少数であるため擦れ個体と考えられる)。

 1951年、Wetzlar近郊(Taunusauslafer sudl. d. Lahn)でscapulodontesが発見される。Elli Franz博士はこの動物について言及し図解している (Natur und Volk, Frankfurt a. M., 89, 1959, p. 74-80, Fig. 1c)とある.

 1954年?にはヴェツラーでスカプロドンタ型ヨーロッパミヤマが撮影され、Wiesbadenの出版社F. A. BROCKHAUSに届き、"Großer Brockhaus"に色々掲載があったそうである。

 1956年にはヴェツラー南約6kmのBonbadenでKorting氏が発見との記述。

 1957年にヴェツラー町中で、街灯の下で踏みつけられた小さいscapulodontesが見つかるとの記述。

 1958年、 Fender氏がヴェツラーの南約2kmでf. scapulodontaを1頭発見との記述。

 1959年にヴァインライヒ氏はDr. WangorschやKörting氏と共にヴェツラーの南約5kmの地点で古いオークの森林を見つけている。

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(「Takao Suzuki &  Kouichi Tanida, 2002. ヨーロッパミヤマクワガタ(Lucanus cervus)の分類と地域変異. Kuwata. No. 12」より引用抜粋。顎先はやや太い程度の個体)

 一応色々調べたところでは、ヴァインライヒ氏以外の人物もヴェツラー辺りで採集された事が分かる資料も現存している。いくつかの博物館等に所蔵されていた事を私は目にした。

 他方、顎先の擦れた個体がコレと間違われやすい。私もWormsleben産で見間違えるような擦れ個体をとある博物館で見た事がある。

https://sites.google.com/site/bugmanskaefer/der-hirschkaefer-lucanus-cervus/oekologie-des-hirschkaefers?overridemobile=true

https://m.youtube.com/watch?v=q3ssWT9s0HY

 また、ヘラ状形態は強弱のヴァリエーションが幅広く、型名とする人が殆どであった。

 ヴァインライヒ氏はスカプロドンタと基本型のケルブスを50:50の割合でヴェツラーにて観察したとあり、そういう理由からフォームの記載になっている。

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(「Baba, M. 2004. “A note on synopsis of Lucanus cervus (Linnaeus, 1758) (Coleoptera, Lucanudae)” Be Kuwa No.11」より引用抜粋。掲載の大きめな個体は顎先が顕著なヘラ状、小型個体群は顎先が太くなる程度)

 しかしヘラ状形態の弱い個体は基本型に似るので、其れを基本型と見られたと考えられる。私自身は、スカプロドンタ型ヨーロッパミヤマが得られていた時代のヴェツラー産でヘラ状形態が弱くとも基本型そのもの程になっている個体は見た事が無く、少なくとも膨らみは残る。♀は現存数が少なそうであるから比較はマトモには出来なさそうである。型ではなく亜種という説もあったが実際はどうだったのか。

 ヴァインライヒ氏は"此の時代では最も緻密にクワガタムシ科を調べた研究家であった事"が、世界中のクワガタに関する多岐に亘る氏の著書・論文群から理解できる。論文に調査対象個体群について必ずデータの記述が完璧に掲載され、交尾器の観察もよくされていた。蛇足な論文も書かず、科学に対し誠実で、自然に対し畏れを持って誰よりも深くクワガタムシ科甲虫を理解しようとした人物像を想わせる。

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(「Weinreich, E. 1963: Lucanus cervus forma scapulodonta, eine auffallende Mutation unseres Hirsch- käfers. - Ent.Ztschr. (Stuttgart) 73(4): 29-33.」より引用抜粋。原記載であるが紛らわしい小型個体のスケッチは無い事から、Weinreich氏は其れ等をノーマル型とカウントした可能性がある。ヴァインライヒ氏が論文に載せたスケッチ図1〜6は顕著に基本型と異なる個体ばかりがモデルである。図7は比較用のノーマル型と記述され産地データは付記されない。図8の3♂はSCHOOPsによるスケッチの掲載と記述される)

 しかし現在絶滅しているならば自然界での観察が出来ない。亜種であったにしろなかったにしろ、ここまでの特化には数十万年から数百万年はかかっていると予想できる。

http://www.fossilworks.org/cgi-bin/bridge.pl?a=taxonInfo&taxon_no=319816

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(「Taroni, G. 1998. Il Cervo Volante (Coleoptera Lucanidae): natura, moto, collezionismo. Milano: Electa.」より引用抜粋。サイズ差が無くても型の差は出る)

 様々な個体を見ていれば通常のケルブスと全く同じ形態の♂個体は混じっていないようで図示がされた事も無い。当時ヴェツラー近郊の分布域は周囲から隔絶されたような生息域だった事を予想される。

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(Matthäus Merianにより描かれた西暦1655年のWetzlarは広大な平原やクワガタの居なさそうな山に囲まれているように見える。絵は「Martin Zeiller, 1655. Topographia Hassiae et regionum vicinarum. Das ist / Beschreibung vnnd eygentliche Abbildung der vornehmsten Stätte vnd Plätze in Hessen / vnnd denen benachbarten Landschafften / als Buchen / Wetteraw / Westerwaldt / Löhngaw / Nassaw / Solms / Hanaw / Witgenstein / vnd andern. In dieser andern Edition mit sonderm fleiß durchgangen / von vorigen Fehlern corrigirt / gebessert vnd vermehret. Topographia Germaniae. Vol. 7. ed. 2」より引用)

https://www.antiqpaper.de/start.htm?ansichtskarten_postcards_photos_deutschland_p_hessen_p_wetzlar.htm

(1900年代初頭も似た雰囲気を呈する)

https://www.augias.net/2020/01/06/8994/

https://www.trolley-mission.de/de/luftaufnahmen/wetzlar

https://www.usarmygermany.com/Communities/Kassel/Aerials_Lloyd%20Ksn%201950%201.htm

(1950年代以前も1655年の雰囲気とあまり変わらない。戦時中の時代もあった)

https://www.flickr.com/photos/96982658@N05/15451199641

(1970年代)

https://www.gettyimages.co.jp/%E5%86%99%E7%9C%9F/%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%83%E3%83%84%E3%83%A9%E3%83%BC

(21世紀初頭。見かけ上は緑豊かである)

 なお、フランクフルトやウィーンでも得られたとされるが正確な図示はされていない。おそらくは顎が擦れた個体と考えられる。間違いなくスカプロドンタと同型と言える個体は他産地では見つかっていない。

https://www.zobodat.at/pdf/ZAOE_21_0061-0062.pdf

 ドイツは森林伐採が盛んであったとされ、ヴェツラーも大規模なダルハイム新住宅地を1960年代に建設し始め1965年には拡充をしたらしい。おそらく近郊の楢や樫をふんだんに使ったと推定できる。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%83%E3%83%84%E3%83%A9%E3%83%BC

 其のあたりが原因で絶滅したのだろうという見方が一般的であるが、現在の様子を見るにヴェツラー近く周囲では通常のケルブスが見られるようになっている。一方でスカプロドンタは再三の調査でも見つかっていない。もはやスカプロドンタ型ヨーロッパミヤマクワガタが生存しているとは考えられない。

http://www.inaturalist.org/observations/26908528

http://www.inaturalist.org/observations/123808461

 森林が残っていた時代は、ヨーロッパ中で最もヨーロッパミヤマクワガタが観察されたのはドイツだったという人もいた。第二次世界大戦時にナチス将兵のところに大きな個体が飛んできて留まっただろう写真も見た事がある。

 ドイツは様々な環境問題を抱えては、表面上で取り繕うというやり方を歴史的に繰り返してきている。うわべだけの対策は失敗する。

https://www.sustainablebrands.jp/sp/article/story/detail/1207953_2141.html

https://www.sustainablebrands.jp/sp/article/story/detail/1208049_2141.html

 しかしスカプロドンタ型ヨーロッパミヤマクワガタは、想像されているような"単純な伐採"だけで絶滅したのだろうか。タウヌス山地は持続可能な範囲の伐採地として運用されたとある。という事は伐採していたとしても多少なり原生林を残していたのではないだろうか。天然更新による林業が行われているとは言われるが、もしかして、1960年代あたりからの宅地事業に使用した分の木々の代わりを、全く別産地から調達し雑な植林で補おうとしたのではないだろうか。

 現在のヴェツラー周囲はギーセンとの中間エリアなど近い場所で普通のヨーロッパミヤマクワガタが見られる。という事は二次林が人工林を加えヴェツラー近郊で拡大しているという事を意味する。此の状況証拠は極めて堅い。

 二次林が拡大したせいで通常のヨーロッパミヤマがヴェツラー近郊の原産地付近に流入した事でトドメを刺されたという可能性も充分に考えられる。

https://iob.bio/journal/schwartzwald-reforestation/

 交配が重なり個体数の圧倒的に多い通常のケルブスに取り込まれた後、消失した可能性も考えられる。スカプロドンタの形態は圧倒的な物量の流れに圧され自然界から全く失われたのではないか。

 人類は目先の欲を満たしてきたが、批判されたらハリボテの回復で其の場凌ぎもしてきた。そんな事はそこら中で散見される。

 自然界で悠久の時を進化してきた生物系統を、いとも簡単に絶滅させられるのが人類である。

 ヨーロッパで広くヨーロッパミヤマクワガタの1種が分布しているだけに、スカプロドンタ型ヨーロッパミヤマが浮島のような分布をしていた事はとてつもなく興味深かった。しかし詳しく調べる術は最早無さそうである。

【References】

Weinreich, E. 1963: Lucanus cervus forma scapulodonta, eine auffallende Mutation unseres Hirsch- käfers. - Ent.Ztschr. (Stuttgart) 73(4): 29-33.

Taroni, G. 1998. Il Cervo Volante (Coleoptera Lucanidae): natura, moto, collezionismo. Milano: Electa.

Takao Suzuki & Kouichi Tanida, 2002. ヨーロッパミヤマクワガタ(Lucanus cervus)の分類と地域変異. Kuwata. No. 12

Baba, M. 2004. “A note on synopsis of Lucanus cervus (Linnaeus, 1758) (Coleoptera, Lucanudae)” Be Kuwa No.11

【追記】

  "scapulodonta"の学名が亜種に昇格するか否かは以下の条文を参考にする。

45.5. 亜種よりも低位の学名. 亜種よりも低位の実体 (用語集を見よ)を示すために提唱された学名は, 条45.6の条項が別に定める場合を除き, 適格名ではない. その学名は, 種階級群から除外され, 本規約に規制されない [条 1.3.4]. 三語名に付加した第四名として公表されたものは, 自動的に亜種よりも低位のある実体を示す (ただし, 挿入された種階級群名 [条6.2] は, 三語名への付加だとは見なさない).

45.5.1. 本条の条項下で亜種よりも低い階級をもつ学名は, 審議会の裁定による場合を除き, いかなる後世の行為 (“階級の上昇”など) によってもそれの設立時の著作物からは適格になり得ない。 誰か後世の著者 が同一の単語を,それを適格名 [条11~18] にするやりかたで種もしくは亜種に適用するときは,その著者が学名の著者権を亜種よりも低位の学名としてそれを公表した著者に帰したとしても、それによってその後世の著者が独自の著者権と日付をもつ新学名を設立することになる.

例. (Ognev, 1927 が公表した) Vulpes vuipes karagan natio ferganensis のなかの学名ferganensisは, 三語名への付加であるから亜種よりも低位である. この学名は最初にこれを亜種 Vulpes vulpes ferganensisに対して使用したFlerov (1935)の時点から適格であるので,これの著者権は彼に帰するべきである.

45.6. 二語名の後に続く学名が亜種の階級か亜種よりも低い階級かの決定. 二語名の後に続く種階級群名が示す階級は, 亜種の階級である. ただし, 次の各号を除く.

45.6.1. その学名の著者がその学名に亜種よりも低い階級をはっきりと与えている場合,または, その学名が亜種よりも低位のある実体に対して提唱されたものであるということが当該著作物の内容からあいまいさなく分かる場合,その学名は, 亜種よりも低位である (条45.6.4も併せ見よ).

45.6.2. その学名の著者が用語“変性種", "ab.", “morph” のどれかを使用した場合,その学名は,亜種よりも低位だと見なす.

例. Ognev (1913) が公表したArvicola amphibius ab. pallasi のなかの学名pallasi は,亜種よりも低位である.この学名は,最初にこれを亜種Arvicola terrestris pallasiに対して使用したOgnev (1950) から種階級群名として適格であり,かつ, 彼に帰するべきである.

45.6.3. 最初に公表されたのが1960年よりも後であり, その学名の著者が (用語“var.”, “forma", "v.", "f." を含め) 用語 “変種”, “型”のどちらかをはっきりと使用している場合, その学名は, 亜種よりも低位 だと見なす.

45.6.4. 最初に公表されたのが1961年よりも前であり,その学名の著者が (用語“var.", "forma", "v.", "f” を含め) 用語 “変種”, “型” のどちらかをはっきりと使用している場合, その学名は, 亜種の階級である. ただし,その学名の著者が同時にその学名に亜種よりも低い階級をはっきりと与えている場合,または,その学名が亜種よりも低位のある実体に対して提唱されたものであるということが当該著作物の内容からあいまいさなくわかる場合は、この限りではなく,その場合,その学名は, 亜種よりも低位である [条45.6.1]. ただし, 次の号を除く.

45.6.4.1. 1985年よりも前に種や亜種の有効名として使用されたか, または, 古参同名として扱われた場合, 条45.6.4の下では亜種よりも低位のある学名は, そうであるにもかかわらずその学名の原公表から亜種の階級であると見なす.

例. Spencer(1896) は,彼が小型肉食有袋類の同属2種 Sminthopsis murinaS. crassicaudataの中間形だと考えた1標本をもとに, Sminthopsis murina var. constricaを記載・ 命名した. 彼の著作物からは,この学名が亜種よりも低位の実体に提唱されたものであることがあいまいさなく判明するわけではないので, constricaは, この学名の原公表の時点から亜種の階級をもつ. 異翅類では,Westhoff (1884)は長翅型そのものであることを明示して学名Pyrrhocoris apterus var. pennataを与え, Wagner(1947)は羽化直後の成体そのものであることを明示して学名Stenodema trispinosum f. pallescensを与えた. したがって, 学名pennatapallescensは, 亜種よりも低位であり,どちらの学名も1985年よりも前に種もしくは亜種に採用されたことがなかったので,いずれの学名も不適格である.

 Polinski(1929) は,陸貝 Fruticicola unidentata subtecta を "variété (natio) n." として記載し, それは亜種の階級に値しない “une forme” に過ぎないとはっきりと述べた. ところが, Klemm (1954) はある亜種の有効名としてTrichia (Petasina) unidentata subtecta (Polinski) を採用した. したがって亜種小名 subtecta は, Polinski, 1929 の時点から適格だと見なす.

(国際動物命名規約第四版より引用抜粋)

 という事はWeinreich氏が1963年に出版した"scapulodonta"は有効名では無いと考えられる。しかし改めて"亜種か型か"調査する事も絶滅しているならば叶わない。

 1961年から1985年の間に原記載者はじめ、いずれの著者らも種や亜種としてではなく"型"としての記載をしており、他種の古参同名とされた事も無い。即ち命名規約では除外の対象になる名称である。

 本文記述を根拠に私の予想では"ヴェツラー周辺が特殊な環境により隔離され亜種に特化した個体群だったろう"に考えられるが、今では基産地での再確認が出来ないから、"亜種であったか特殊な型であったか"の検証が出来ない。原産地での観察も、飼育累代での観察も出来ない。

 ヴェツラー近郊での通常のヨーロッパミヤマクワガタの観察結果を鑑みれば"伐採で個体数を減らし過剰な人為植林により地理的隔離がなくなり、スカプロドンタと周囲のケルブスが一つの系統に集約された"と推測されうる。

 過剰な植林による二次林は生態系を偏らせるため、大体の固有種が生存する確率を減らす。原生林にあった微視的な生態系の多様性バランスは二次林により完全に破壊される。ペンキで岩山を緑に塗って「環境を守った」などと満足する連中と変わらない。伐採で森林が減ったならば二次林などに頼らず、従来産する固有種で原生林を復活させようという天然林を目指した方が明らかに確実である。

https://rocketnews24.com/2015/03/17/558202/amp/

 原生林は二次林に侵食されないように保守をしつつ残していかなくては、スカプロドンタ型ヨーロッパミヤマクワガタのような生物系統が自然界から姿を消していく。特にドイツの一地域に限った話ではなく、日本を含めて世界的に危惧される。

 命名規約にあまり干渉されない名称の系統個体群のまま絶滅に追い込まれたとはいえ自然界で生じた一系統であった。其れを人間社会の都合で認知させず、絶滅にまで追い詰めた。"そういう戒め"で人類を縛りつける生物系統であったと言える。